さて、金利変動や米国で2つの銀行が破綻するなど大きな波紋があるなか、不動産の価値がどうなっていくかを見定めようとされている方は多いのではないでしょうか。
本日は新築マンション価格に大きく影響を及ぼす下記3つの各観点から3回に分けて今後の展望を予測していきます。

  1. 建築資材費
  2. 人件費
  3. 土地価

第一回【建築資材費】

皆様もご存じかと思いますが、2020年ごろのウッドショックの影響を受け、2021年から建築資材は大幅な高騰の局面を向かえております。さらに2022年初めにはロシア-ウクライナ戦争がはじまり更なる物価上昇へとつながっています。マンション価格にはどのような影響があるのでしょうか?
マンションを建てる期間はおおよそ1~2年程です。ですので、マンション価格は物価上昇から約2年後に現れる傾向にあります。

下記グラフ(https://www.kensetu-bukka.or.jp/wp-content/themes/custom/pdf/business/so-ken/shisu/shisu_shizai/1-3_summary_shisu_shizai_2023.02.pdfより引用)を見てみると現在も大きく資材費が高騰していることが分かります。比較すると不動産価格の上り幅は小さいように感じます。

建設資材物価指数(東京)
主要品目別指数(東京)

原価が上がっている以上、販売価格を抑えるには企業の利益を小さくするほかありません。当然簡単に金額を下げることはできませんから、意図的に供給を制限しながら価格を維持するようゆっくり販売する姿勢をとっているのが現状です。

このように販売戦略だけ見ても物価上昇の影響は大きいものがある事を示唆しています。
今後の不動産市況は下がる要因を探すほうが難しいのかもしれません。

それでは第二回のコラムでまたお会いしましょう。