投資用不動産を運用する上で、大きく関係のあるマンション建物管理組合。
今年、その法改正が23年ぶりに施行されます。
区分所有法とは
区分所有法とはマンションなどの集合住宅における所有や管理に必要なルールが幅広く定められた、分譲マンションのための法律です。ファミリーマンションや投資運用目的のワンルームマンションなどが該当し、区分所有法では以下のことを定めています。
- 専有部分と共有部分の区別
- 区分所有者の権利と義務
- 管理組合の設置と運営
- 意思決定や集会(総会)の開催方法
- 建物の建て替えや大規模修繕の進め方
など所有や管理、共同生活に必要なルールとなります。
改正点とは
- 集会決議を円滑化するための新ルール制定
- マンション再生を円滑に進めるためのルール制定
以上が主なポイント2つです。
集会決議を円滑化するための新ルール制定
現行ルールでは全区分所有者の多数決だったため、欠席者が多いと決議がまとまらず集会決議の妨げとなっていました。
改正後は「出席者多数の原則」が基本となり、「実際に出席した区分所有者の意思に基づいて決議」という方針へ変更となります。
※出席には現地出席・書面議決・オンライン・委任状が該当します。
例:100戸のマンション
出席者:60人 賛成:35人 反対:25人
改正前は過半数51人に満たず否決、改正後は過半数31人のため、可決。
※区分所有権の処分を伴わないものについては、当日の出席者による多数決で決めて良いようになります。
また、所在等不明区分所有者はすべての決議における母数から除外される制度も新設されます。
マンション再生を円滑に進めるためのルール制定
現行ルールでは区分所有者の「5分の4」の賛成が必要で建て替えなどが迅速に行えない状態でしたが、下記のいずれかに該当する場合に限り、多数決割合を「4分の3」へ引き下げるルールとなります。※現行ルール5分の4と並行されます。
- 耐震性の不足
- 火災に対する安全性の不足
- 外壁などの剥落により周辺に危害が生ずる恐れ
- 給排水管などの腐食等により著しく衛生上有害となる恐れ
- バリアフリー基準への不適合
また、建て替え決議の場合、賃借人退去に同意がないと工事が進められませんでしたが、改正後は一定条件のもと、
金銭補償をして借家契約を終了させることも可能となります。
要件は内容により、過半数や4分の3、5分の4、全員の同意が必要など多岐に渡りますが、
改正により、マンション再生を実行できるマンションの増加が期待できます。
改正の背景
高経年化・老朽化マンションの著しい増加が背景となっています。
土地取得の難易度があがり、物価高により建築費・資材費・人件費など取得後の建築も容易ではなくなり、新築物件の供給数は
減少しております。
その中でも既存物件は老朽化が進み、築30年、築40年といった築年数が経過した物件も市場に出回り、目にする機会も増えています。
また、日本全体の高齢化も進み、管理組合の形成や運営も困難となっている物件も少なくありません。
そのため、マンション再生に向けた取り組みの強化が求められる時代となったのです。
まとめ
区分所有法改正により、築年数の経過した物件もより良く管理がおこなえるように変化し、築年数が経過していても、管理面、
立地条件の優れた物件が優位性を持つ時代が来ているのかもしれません。
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